買取と仲介、どちらが得か。
こんにちは、才光不動産です。
「すぐに現金化したい」「面倒な手続きを省きたい」という理由で、不動産会社による「買取」を選ぶ方がいます。テレビCMやポスティングチラシで「すぐ買います」「査定だけでOK」という広告を見たことがある方も多いと思います。今日は買取と仲介の違いを、数字と現実で整理します。
買取は「速さと確実性」の代わりに「価格」を犠牲にする取引です。その差は一般的に市場価格の60〜80%水準と言われています。3000万円の物件なら、最大1200万円の差が生じる可能性があります。
買取とは何か、仕組みを理解する

不動産の「買取」とは、不動産会社が直接売主から物件を購入する取引です。仲介のように一般の買主を探す必要がなく、業者が直接買い取るため、通常は1〜2週間で現金化できます。
なぜ業者は市場価格より安く買えるかというと、買い取った後に自社でリフォーム・リノベーションして再販するビジネスモデルだからです。業者はリフォーム費用と利益を確保した上で転売します。そのコストと利益分が差し引かれた価格が、売主への買取価格になります。
買取が有利なケース、仲介が有利なケース
- とにかく早く現金が必要
- 住み替え先が決まって引越しが迫っている
- 相続で遠方の不動産を処分したい
- 空き家・賃貸中物件の管理が限界
- 内覧の準備や立会いが難しい
- 訳あり物件(事故・欠陥)で仲介が難しい
- 売却価格を最大化したい
- 3〜6ヶ月程度の時間的余裕がある
- ローン残債が多くまとまった資金が必要
- 立地・状態が良く買主需要が高い物件
- 住み替え資金として売却益が必要
- 相続税の納税資金として確実な金額が必要
「買取保証」という第三の選択肢
仲介と買取の中間に「買取保証」という方法があります。まず一定期間(通常3〜6ヶ月)仲介で売却活動を行い、その期間内に売れなかった場合に業者が事前に提示した価格で買い取るという仕組みです。
この方法は「仲介で高く売れる可能性を残しながら、最低限の売却価格を保証してもらえる」という点で、売主にとって心理的な安心感があります。ただし買取保証価格は通常の買取と同様、市場価格より低く設定されます。また「仲介期間中に本気で売ってくれるかどうか」は業者の誠実さ次第です。買取保証を設定することで業者が「どうせ買取になるから」と仲介活動を手抜きするリスクもゼロではありません。
「すぐ買います」広告の裏側
ポスティングチラシや広告で「どんな物件でもすぐ買います」と謳う業者が増えています。この広告には裏側があります。「すぐ買います」は正確で、確かにすぐ買います。ただし価格は市場の60〜70%水準のことが多い。広告には価格のことは書かれていません。
また「査定だけでOK」という広告も同様です。査定を依頼すると業者が来て「ぜひうちで買わせてください」という交渉が始まります。焦りや疲れから「この価格でいいか」と判断してしまう方を、私はこの仕事で何度も見てきました。査定を依頼することは義務を負うことではありません。納得いかない価格であれば断っていいし、仲介での売却を選ぶ権利は常に売主にあります。

買取は「速さと確実性」の代わりに大きな価格差を受け入れる選択です。その差額が「時間的・精神的・状況的なコスト」を上回るかどうかで判断してください。急いでいる方が「売れる価格」を基準にするのではなく「残る手取り」を基準に考えることが大切です。
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