不動産市場に「底値」はわからない。
それでも動くべき理由。
こんにちは、才光不動産です。
「もう少し価格が下がってから買おうと思っている」という言葉を、この仕事をしていると定期的に聞きます。市場を読んで有利なタイミングで動こうという発想は、投資の観点からは理にかなっています。でも自分が住む家を買う場合、この発想には大きな落とし穴があります。今日はその現実を話します。
不動産市場の底値は、後から振り返ってしか分かりません。「あのときが底だった」という言葉は、常に過去の話です。底値を待ち続ける間にも、生活は続き、コストは積み重なっています。

なぜ底値は予測できないのか
不動産価格は、金利・人口動態・経済状況・政策・地域の開発計画など、無数の変数が絡み合って動きます。これらすべてを正確に予測できる人間は存在しません。「専門家が下がると言っていた」「ネットの記事で底値に近いと書いてあった」——これらはあくまで予測であり、外れることも多いです。
過去を振り返れば、「もうすぐ下がる」と言われていた時期に購入した人が、数年後に価格上昇の恩恵を受けているケースは多くあります。逆に「まだ下がる」と待ち続けた結果、価格が上昇して買えなくなったという話も少なくありません。市場のタイミングを読むことは、プロでも難しいのです。
待ち続けることのコスト
底値を待つ間にも家賃は発生し続けます。月10万円の家賃を1年待てば120万円、2年待てば240万円です。仮に1年待って物件価格が100万円下がったとしても、その間の家賃120万円と相殺すれば、実質的にはマイナスです。さらに「待っている間に希望の物件が他の買主に取られた」というリスクも現実にあります。
また金利の変動も考慮する必要があります。価格が下がっても金利が上がれば、毎月の返済額は増えます。価格と金利は必ずしも同じ方向に動きません。「価格が下がったから有利」とは単純には言えないのが現実です。
「今動くべきか」の正しい問い方
「市場のタイミングとして今が買い時か」ではなく「今の自分の状況で動けるか」が、正しい問いの立て方です。収入が安定していて頭金が準備できていて希望に合う物件がある。この3つが揃っているなら、市場のタイミングにかかわらず動くことを検討する価値があります。逆にこれらが整っていない場合は、タイミングがよくても無理をすべきではありません。
市場を読むことは参考情報として持っておく程度でよいです。「今の市場は売主優位か買主優位か」を知ることは価格交渉に役立ちますが、「動くかどうか」の判断は自分の状況から下すべきです。その順序を間違えると、市場を眺めながら動けないまま時間だけが過ぎていきます。

底値は後からしかわかりません。市場のタイミングより自分の状況を優先してください。「今の自分が動けるか」という問いに答えが出たとき、市場のタイミングは二番目の問いになります。
本日は以上です。
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