転勤族の家族が
「仮の家」を「本当の家」にした話。
こんにちは、才光不動産です。
ご主人の仕事の都合で、数年おきに転勤を繰り返してきたご家族がいました。札幌に来たのは3度目の転勤先で、賃貸マンションを探していました。最初の相談のとき、奥様が言った言葉が印象に残っています。「どうせまた数年で引っ越すので、適当な部屋でいいんです」。

「適当でいい」という言葉の裏に、何度も住む場所を変えてきた疲れのようなものを感じました。家を「仮のもの」として扱う習慣が、すっかり身についているようでした。
ご家族には小学生のお子さんが二人いました。条件を聞きながら物件を案内する中で、子どもたちが内見のたびに少しずつ表情を変えていくのに気づきました。ある部屋では「ここに本が置けるね」と嬉しそうに言い、別の部屋では窓から見える景色を喜んでいました。子どもたちにとって、新しい部屋は「仮の場所」ではなく、これから始まる毎日の場所でした。
最終的に選んだのは、少し広めのリビングがあるマンションでした。決め手を聞くと、奥様は「子どもたちが嬉しそうにしていたので」と答えました。その瞬間、最初に言っていた「適当でいい」という言葉とは違う基準で選んでいることに気づきました。
引き渡しの少し後、ご家族から連絡をいただきました。新居の写真と一緒に「子どもたちが、ここが今までで一番好きな家だと言っています」という言葉が添えられていました。たとえ数年で離れることがわかっていても、人はその場所を「本当の家」にしようとする。その意志があれば、仮の住まいでも本物の暮らしが生まれるのだと、この家族から教わりました。
転勤族の方からの相談を受けるとき、私は「どうせ仮住まいだから」という言葉をそのまま受け取らないようにしています。その言葉の奥には、たいてい「本当はちゃんとした場所にしたい」という気持ちが隠れています。その気持ちを丁寧に拾うことが、転勤族の方への接客で大切にしていることです。

「仮の家」と「本当の家」を分けるのは、期間ではなく気持ちです。数年しか住まない場所でも、そこに心を込めれば、それは紛れもなく「本当の家」になります。
本日は以上です。
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