二人で見た同じ部屋
二人が見ていたものは違った。
こんにちは、才光不動産です。
結婚を控えたカップルの内見に同行したことがあります。同じ部屋を見ているのに、ふたりが見ているものはまったく違うことに気づいた瞬間がありました。今日はその話をします。
同じ空間を見ても、人によって注目する場所がまったく違います。それぞれの視線が、その人の暮らしの優先順位を物語っています。

そのカップルは、男性が几帳面なタイプで、女性が自由な発想を大事にするタイプでした。内見中、男性はずっと収納スペースの大きさと数を確認していました。クローゼットを開けて奥行きを測り、キッチンの収納の容量を細かくメモしていました。一方で女性は、窓から見える景色とリビングの明るさにずっと注目していました。「ここに座ったらどんな気持ちになるかな」と何度も呟いていました。
同じ部屋を見ているのに、男性は「機能」を見ていて、女性は「気分」を見ていました。これはどちらが正しいということではなく、暮らしに対して大切にしているものが違うということです。男性にとっての心地よさは「物がきちんと収まり、生活が整理されていること」で、女性にとっての心地よさは「その瞬間の気持ちが満たされること」でした。
内見が終わった後、ふたりで話し合う時間がありました。男性が「収納が少し足りないかもしれない」と言うと、女性が「でもこの景色、すごく好きなんだけど」と返しました。最初は意見が分かれているように見えましたが、話を聞いているうちに、それぞれの視点が補い合っていることがわかりました。男性の視点がなければ生活の不便さに後で気づき、女性の視点がなければ「住みたい」という気持ちが生まれなかったかもしれません。
最終的にそのふたりは、収納スペースについて家具での工夫を考えることにし、景色の良いその部屋を選びました。お互いの「見ているもの」を認め合った上での決断でした。

同じ部屋を見ても、人はそれぞれ違うものを見ています。その違いを否定せず認め合うことが、ふたりで選ぶ住まいの第一歩なのだと、あの内見の日に教えてもらいました。
本日は以上です。
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