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暮らしの選択シリーズ

「損得」で語ることの限界

土曜日の「暮らしの選択」

「持ち家か、賃貸か」という問いの立て方が
そもそも間違っている。

こんにちは、才光不動産です。

土曜日は「暮らしの選択」というテーマで書いていきます。住まいにまつわる選択は、人生の中で何度も訪れます。そのたびに正解を探そうとするのですが、正解はひとつではありません。今日はその出発点として「持ち家か賃貸か」という、最もよく議論される問いを取り上げます。

この問いについてはネット上に無数の記事があります。「持ち家のほうが得」「賃貸のほうが自由」「どちらも同じ」——。それぞれに計算式があり、それぞれに説得力があります。でも私がこれだけ多くの方の住まいの相談に関わってきて思うのは、この問いの立て方そのものに問題があるということです。

「持ち家か賃貸か」という問いは、住まいを「金融商品」として評価するときの問いです。でも多くの人にとって家は「金融商品」である前に「生活の場」です。この違いを意識しないまま損得計算を始めると、本質からどんどん外れていきます。

「損得」で語ることの限界

持ち家と賃貸の損得比較は、前提条件によって結論が変わります。何年住むか。金利がどう動くか。物件の価値がどう変化するか。これらは誰にも正確には予測できません。「35年住めば持ち家のほうが〇〇万円得」という計算は、35年後の状況をすべて固定した仮定の上に成り立っています。現実の人生はその通りには動きません。

転勤があるかもしれない。離婚があるかもしれない。収入が大きく変わるかもしれない。子どもの数が変わるかもしれない。人生は予測不能であり、住まいの選択もその不確実性の中でなされます。損得計算が成立するのは、人生が計画通りに進んだときだけです。

本当に問うべき問いは何か

「持ち家か賃貸か」ではなく「自分はどんな暮らしをしたいか」が先にあるべき問いです。そこから逆算すると、答えは自然に出てきます。

暮らし方から逆算すると見えてくること
根を張りたい
地域のコミュニティに入りたい。子どもに「帰る場所」を作りたい。庭を持ちたい。→ 持ち家が向いている可能性が高い
動き続けたい
キャリアの変化に合わせて住む場所を変えたい。身軽でいたい。転勤の可能性がある。→ 賃貸が向いている可能性が高い
老後の安心
定年後に住む場所を確保したい。家賃のない暮らしをしたい。→ 持ち家が持つ「居住コストゼロ化」の価値が大きい
資産形成
住まいを資産として考えたい。売却や賃貸収入を視野に入れたい。→ 物件選びの基準が変わる。立地と市場性の精査が必要

「今の自分」だけで判断しないこと

住まいの選択で多くの人が犯す間違いは「今の状況だけで判断する」ことです。独身のとき「結婚したら考えよう」と先送りし、結婚したとき「子どもができたら考えよう」と先送りし、子どもができたとき「落ち着いたら考えよう」と先送りする。気づけば40代後半になっていて、住宅ローンを組める期間が限られているという状況になります。

住まいの選択は「今」だけでなく「10年後・20年後の自分」を想像しながら行うべきものです。今賃貸に住んでいる方も、将来のどこかで「持ち家に切り替えるタイミング」を意識的に考えておくことが、後悔を減らす最大の方法です。

札幌という街で考えるとき

札幌は日本の主要都市の中でも、持ち家を取得しやすい価格水準を保っています。東京や大阪と比べて同じ条件の物件がはるかに安く手に入る。この事実は、「持ち家か賃貸か」の判断において、札幌在住者には有利な条件として働きます。家賃を払い続けることと、ローンを返済しながら資産を積み上げることの差が、他都市より小さいコストで実現できるのです。

もちろんそれがすべての人に当てはまるわけではありません。でも「札幌で暮らし続けるつもりがある」方にとっては、持ち家という選択肢を真剣に検討する価値は確実にあります。

「持ち家か賃貸か」を考える前に、「自分はどんな暮らしをしたいか」を考えてください。その答えが出れば、どちらが向いているかは自然に見えてきます。損得計算より、自分の暮らしのイメージが先です。

毎日更新しています。

本日は以上です。

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