査定の帰り道
いつも同じことを考える。
こんにちは、才光不動産です。
水曜日は少し肩の力を抜いて、私自身の話を書こうと思います。「社長の独り言」というタイトルで、仕事の中で感じたこと、考えたことをそのまま書いていきます。たいした話ではないかもしれませんが、不動産屋の日常というのはこういうものかと、少しでも伝わればと思っています。
査定に伺った後の帰り道、車を運転しながらいつも同じことを考えます。「この家、いくらで売れるだろうか」ではありません。「この人は、なぜ今売ることにしたのだろうか」ということです。

査定を依頼する人は必ず何かしらの事情を抱えています。その事情を全部話してくれる人もいれば、当たり障りのないことしか言わない人もいます。でもどちらの方も、帰り道にはその輪郭が見えてくることが多いです。
今日も一件、査定に伺いました。70代のご夫婦で、子どもたちが全員遠方に住んでいて、老後のことを考え始めたとのことでした。広い家を二人で持て余している、というのが表向きの理由でした。でも話を聞いていると、奥様の方が最近体調を崩されたこと、通院が増えてきたこと、そして「この家の階段がしんどくなってきた」という言葉が出てきました。
数字の話は一通りしました。査定額の根拠も説明しました。でも帰りの車の中では、その「しんどくなってきた」という言葉がずっと頭に残っていました。売却という選択は、その方たちにとってどれほどの決断なのか。この家で過ごした時間がどのくらいあるのか。そういうことを考えていると、自分がしている仕事の重さを改めて感じます。
数字を出すのは難しくありません。でもその数字を、その人の人生の文脈の中に置いてもらうことが、私の仕事だと思っています。「こういう事情なら、急いで売る必要はないかもしれない」「こういう状況なら、まず試してみることが大切かもしれない」という判断を、一緒に考えること。査定書を渡すだけが仕事ではないと、帰り道のたびに確認しています。
今日のご夫婦はまだ迷っているようでした。それでいいと思っています。迷っているうちは、選択肢がある。急かすのは私の仕事ではありません。

査定の帰り道はいつも、少しだけ頭が静かになります。車の中で、今日会った人のことを思いながら走るその時間が、この仕事を続ける理由のひとつになっているかもしれません。
本日は以上です。
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