お客様に「正直に言う」
ことの難しさ。
こんにちは、才光不動産です。
「正直に言う」というのは、言葉にすると簡単ですが、実際にやり続けることは難しいです。特にそれがお客様の希望に反することだったり、相手が聞きたくない内容だったりするとき、言葉を選びすぎて肝心なことが伝わらなくなることがあります。今日はその難しさについて書きます。
正直に言うことと、傷つけることは違います。でも傷つけたくないあまり、正直さが薄まることがあります。その加減をどこに置くかが、この仕事での永続的な課題のひとつです。

「この価格では難しい」と言う難しさ
売主の方が「この価格で売りたい」という希望を持っているとき、その価格が市場から大きく外れていた場合、正直に伝えることが必要です。でもその言葉が、相手の長年の思い入れを否定することになりかねないとき、言い方に迷います。
「この価格では少し難しいかもしれません」という婉曲な表現と「この価格では買主が現れない可能性が高いです」という直接的な表現では、伝わり方が違います。婉曲な表現は相手の感情を傷つけにくいですが、現実の深刻さが伝わらないことがあります。直接的な表現は現実を正確に伝えますが、関係がこじれる危険もあります。
私がこういう場面でどうしているかというと、まず根拠を先に出すようにしています。「直近3ヶ月でこのエリアで成約した類似物件の価格帯はこうです」という事実を先に共有し、その上で「この価格帯を踏まえると、ご希望の価格では時間がかかる可能性があります」という形で伝えます。感情論ではなく事実から入ることで、相手も受け取りやすくなることが多いです。
「今は動かないほうがいい」と言う難しさ
もうひとつ難しいのは「今は動かないほうがいいかもしれない」と言うことです。売却を急いでいる方に対して、急ぐことのリスクを伝えることは、その方の選択を否定しているように受け取られることがあります。
でも急いで売ることで明らかに損をすると判断できる場合、それを伝えないことは誠実ではありません。相手が聞きたいことを言うのではなく、相手にとって必要なことを言う——。その姿勢を保つことが、この仕事での「正直」の意味だと思っています。
正直に言った結果、相手が不満そうな顔をすることがあります。それは仕方がないことだと思っています。でもその正直さが後から「あのとき言ってくれてよかった」という言葉として戻ってくることがあります。そういう経験が、正直に言い続ける力になっています。
正直さを保つために必要なこと
正直に言い続けるためには、相手に嫌われることへの恐れを手放す必要があります。誰でも嫌われたくない。特に仕事の関係では、相手に気に入られることが次の仕事につながるという現実があります。だから正直な言葉を選ぶことは、短期的には損なことがあります。
でも長期的には、正直に言い続けることが信頼を作ります。「この人は耳の痛いことも言ってくれる」という評価が、信頼の核心になります。その評価は、相手を喜ばせ続けることでは作れません。正直さの積み重ねでしか作れないものです。そのことを信じて、今日も言いにくいことを言う準備をしています。

正直に言うことは、相手を傷つけることではなく、相手を信頼することです。この人には本当のことを言う価値があると思うからこそ、正直に言える。そういう関係を作ることが、この仕事の目標のひとつです。
本日は以上です。
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