「断る」ことも
仕事のうちだと思っている。
こんにちは、才光不動産です。
今週の独り言は「断る」ことについてです。不動産会社は依頼を受けてなんぼ、という考え方もあります。頼まれたことは何でも引き受ける方が、目先の売上にはつながりやすいのも事実です。でも私は、時にはお断りすることも、お客様のためになる仕事の一部だと思っています。今日はそのあたりの考えを書きます。
「今すぐ売るべきではない」「その価格では出すべきではない」と感じたときに、それを飲み込まずお伝えすること。それが、長い目で見てお客様の利益を守ることにつながると考えています。

「その価格では出せません」と言った日
以前、あるお客様から「この価格で売りに出してほしい」というご希望をいただいたことがありました。相場よりもかなり高い価格でした。売上のことだけを考えれば、そのまま出すのが一番簡単です。でも、その価格で長く売れ残れば、かえって「訳あり物件」に見られてしまい、結果的に安く買い叩かれるリスクがあります。私はそのことを正直にお伝えし、一度お断りする形で相場に近い価格をご提案しました。最初は「なぜ希望通りにやってくれないのか」と驚かれ、少し気まずい空気になったのを覚えています。それでも粘り強くデータを示しながらご説明し、納得していただいた上で価格を決め直しました。後日「あのとき無理をしなくてよかった」と言っていただけました。
短期の売上より、長期の信頼
お断りすれば、その場の売上は目の前からなくなります。正直、経営者としては胸が痛む瞬間です。それでも、無理を通して後から信頼を失うより、正直に伝えて信頼を積み上げるほうが、長い目で見ればずっと会社のためになると信じています。社員にも「売上のために無理を勧めるくらいなら、断ったほうがいい」と繰り返し伝えています。断ることは、逃げることではなく、責任の取り方の一つだと思うからです。
断ったあとも、関係は終わらない
面白いもので、こちらの提案をお断りされた方や、逆にこちらからお断りした方から、しばらく経ってから連絡をいただくことがよくあります。断られた直後は正直、気持ちが沈むこともありますが、それでも誠実に対応していれば、いつか形を変えて戻ってくるものだと感じています。「あのとき正直に言ってくれたのを覚えていた」と、別の相談を持ってきてくださったり、ご家族を紹介してくださったりするのです。断るという行為は関係の終わりのように感じられがちですが、実際には正直さが伝われば、そこから新しい関係が始まることもあります。目先の一件だけを見ずに、その先にある関係まで考えるようにしています。

お客様の言う通りに動くことだけが、良いサービスではないと思っています。時には立ち止まって、専門家として正直な意見をお伝えすること。それも含めて、私たちの仕事だと考えています。耳の痛いことでも、必要なら遠慮なく言う。そういう会社でありたいと思っています。
本日は以上です。
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