先週、買主と売主が初めて
顔を合わせた日のこと。
こんにちは、才光不動産です。
今週の近況報告です。先週、担当している案件で売主と買主が初めて顔を合わせる場面がありました。契約の手続きの場ではなく、物件の引き渡し前の現地確認という場面でした。個人情報の都合で詳細は書けませんが、そのときの空気が印象的だったので、今日はその話をします。
不動産の売買では、売主と買主が直接顔を合わせる機会は多くありません。書類上でやり取りが完結することがほとんどです。でも顔を合わせることで生まれるものがあります。それを先週感じました。

現地確認という場面
引き渡し前の現地確認は、買主が物件の最終状態を確認するための機会です。設備が正常に動くかどうか、付帯設備表の通りの状態かどうかを確認します。売主が立ち会うかどうかは案件によって異なりますが、今回は売主の方が「できれば次の方に直接挨拶したい」という希望を持っていました。
買主の方にその旨を伝えると「ぜひ」という返事でした。こういう希望が両者から出るとき、その取引がうまくいっている証拠だと感じます。お互いへの敬意がある状態でなければ、直接顔を合わせることへの希望は出てきません。
顔を合わせた瞬間
現地で売主と買主が初めて顔を合わせた瞬間、少し間がありました。互いに挨拶をして、少し話をしました。売主の方が「長く住んだ家なので、大切にしてもらえると嬉しいです」と言いました。買主の方が「はい、大事に住みます」と答えました。
その短いやり取りが、その場の空気を変えました。それまで書類上の取引だったものが、人と人の関係になった瞬間でした。売主にとってこの家は長年の暮らしの場所であり、買主にとってはこれから暮らしを始める場所です。その二つの時間が、あの現地確認の場で静かに交差しました。
売主が伝えたかったこと
確認が終わった後、売主の方が近所のこと、ゴミ出しのルール、近隣でお世話になっている方のことを買主に伝え始めました。資料には書かれていないことばかりです。スーパーへの近道、冬に凍りやすい場所、春になると庭に出てくる花の種類——。これらは数字でも書類でも伝えられない、その場所で暮らしてきた人間にしか持っていない情報です。
買主の方はメモを取りながら聞いていました。その姿を見て、この家は良い人に引き継がれると感じました。引き渡す側が誠実で、受け取る側が誠実であること。その両方が揃った取引は、良い結果になります。
帰り道、売主の方が「ちゃんとした人に買ってもらえてよかった」と言いました。それがすべてだと思います。価格でも条件でもなく「ちゃんとした人に」という言葉の中に、この方がこの売却で一番大切にしていたことが込められていました。

不動産の取引は書類で完結しますが、人の気持ちは書類では伝わりません。顔を合わせることで生まれる信頼が、その後の引き渡しをスムーズにし、両者の満足につながります。先週のあの場面を、しばらく覚えていると思います。
本日は以上です。
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