電話越しの声だけで
半年間お付き合いした方のこと
こんにちは、才光不動産です。
今週の近況報告です。遠方にお住まいの、80代の売主様を担当させていただいた案件が、先日ようやく無事に完了しました。スマートフォンをお持ちでなく、やり取りはすべて固定電話とお手紙でした。普段はメールやチャットでのやり取りが中心になっている中、久しぶりにゆっくりとした時間の流れを感じた案件でした。今日は、その半年間を振り返ります。
メールやオンライン会議が当たり前になった今でも、電話と手紙だけで丁寧に進めることを望まれる方がいらっしゃいます。手段が違っても、大切にすべきことは変わらないと感じています。今日はそのゆっくりとした半年間を振り返ります。

写真は、すべて印刷してお送りした
物件の状況や査定資料は、通常であればメールやアプリで共有するのですが、今回はすべて紙に印刷し、郵送でお届けしました。封筒に一枚ずつ丁寧に入れながら、遠くにいる方にどう伝えれば分かりやすいかを何度も考え直したことを覚えています。電話でのご説明も、専門用語をできるだけ避け、一つずつゆっくり確認しながら進めました。「今の話、もう一度お願いできますか」と聞き返されることもありましたが、そのたびに言葉を変えて説明し直しました。時間はかかりましたが、「若い人にはこんな面倒なやり方、申し訳ないねえ」と恐縮される売主様に、私はむしろこのやり取りが好きだと感じていました。一枚一枚封筒に入れながら、遠くにいる方の生活を想像する時間も、悪くないものだと思っています。
直接お会いした、たった一度の訪問
契約前に一度だけ、実際にご自宅まで伺う機会がありました。電話の声だけで想像していたよりも、ずっと小柄で優しい雰囲気の方でした。玄関先でお茶を出していただき、家の思い出話を1時間近く聞かせていただいたことを覚えています。効率だけを考えれば無駄な時間かもしれませんが、この時間があったからこそ、その後の電話でのやり取りもより深い信頼のもとで進められたと感じています。帰り際に手渡された自家製の梅干しは、今も大切に食べさせていただいています。
最後の電話で言われた一言
先日、無事に決済と引き渡しが完了し、最後のご報告の電話をかけました。売主様は「あなたにお願いしてよかった、ありがとう」と、電話越しに何度もおっしゃってくださいました。長年暮らした家を手放す寂しさもにじむ声でしたが、それ以上に安堵されているように聞こえ、こちらまで肩の荷が下りるような気持ちになりました。画面越しでは伝わらない、声だけのやり取りだからこそ伝わる温度があると、この半年で改めて感じました。受話器を置いた後、しばらく余韻に浸ってしまうくらい、心に残る一言でした。

効率を優先すれば、もっと早く進められた案件だったかもしれません。それでも、お客様のペースに合わせて丁寧に進めることの価値を、この案件で改めて教えていただいた気がします。
本日は以上です。
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