「地元を愛する技術」を読んで
街への愛が最も強い武器だと確信した。
こんにちは、才光不動産です。
今日紹介するのは「地元を愛する技術」をテーマにした地域活性化・まちづくり関連の書籍群です。特定の一冊というより、このジャンルに共通するテーマと、そこから私が感じたことを話します。
地域活性化の本は、観光業者や行政担当者向けのものが多いイメージがあります。でもこのジャンルを読み込んでいくと、そこには不動産業者にとっても深く刺さるメッセージが込められています。「地域を愛すること」の本質と、それがビジネスにどう結びつくかという話です。

このジャンルの書籍が伝える核心:地域への愛着は「生まれつきの感情」ではなく「知ることで育つ感情」です。街の歴史・文化・人を知ることで、その場所への深い愛着が生まれます。そしてその愛着こそが、長く続くビジネスの最も確かな土台になります。
「地域を知る」ことから始まる愛着
地域活性化の現場で成果を出している人たちに共通しているのは、その地域を徹底的に「知っている」ことです。歴史を知り、人を知り、地形を知り、季節の移ろいを知っている。そのうえで「この地域の何が素晴らしいか」を自分の言葉で語れる。この「自分の言葉で語れる」という点が重要です。
才光不動産が拠点を置く札幌市西区——発寒、琴似、西野、山の手——。私はこれらのエリアを何年も歩き続けてきました。どの道が雪でも歩きやすいか。どのエリアに昔からの住民が多いか。どの商店街がいつ賑わうか。どの公園が子どもたちに人気か。こうした知識は、物件のスペックには書かれていません。でも「そこで暮らす」ということの中心にあるものです。
地域活性化の本を読んで改めて気づいたのは、この「街を知っている」ことが、不動産業者としての最大の強みになるということです。物件のデータは誰でも調べられます。でも「この街で暮らすとどういう日常になるか」を語れる業者は、そう多くありません。
札幌西区の「移り変わり」を知ること
札幌西区は、戦後から高度経済成長期にかけて急速に開発が進んだエリアです。発寒や西野は、かつて農地が広がる郊外でしたが、宅地化が進み現在のような住宅地になりました。その歴史を知っていると、今の街の「成り立ち」が見えてきます。なぜこのエリアに同世代の家族が多いのか。なぜこのエリアの住宅地は比較的整然としているのか。歴史が地形と街並みを作ってきたことがわかります。
地域の歴史を知ることは、単なる知識の蓄積ではありません。その土地への「敬意」が育まれます。ここで何十年も暮らしてきた人たちがいて、その人たちが作ってきた街に、新しい家族が加わっていく。不動産の売買はその連続です。その連続の一部を担っているという意識が、仕事の質を変えます。
移住希望者に「街の物語」を語ること
近年、札幌への移住を希望する方が増えています。コロナ禍以降のリモートワーク普及も一因です。そういった方が物件を探すとき、数字で表せない「この街の空気感」を知りたがっています。ポータルサイトの情報だけでは、その空気感は伝わりません。
「西野はどんな街ですか」という問いに「住宅地で静かです」と答えるのと「円山動物園が近くて、子育て世代の家族が多い。長く住んでいる人が多いから、町内会活動が活発で困ったときに頼れる人がいる。冬は除雪の助け合いが自然と生まれる文化がある」と答えるのでは、伝わるものがまったく違います。
後者の答えは、街を知っている人間にしかできません。その知識は、長くその街で仕事をしてきた時間の産物です。地域活性化の書籍を読んで感じたのは、「街の物語を語れる人間」が地域の資産になるということです。不動産屋もその担い手のひとりです。
「地元ファン」を作ることの意味
地域活性化の分野では「関係人口」という概念があります。その地域に住んでいないけれど、深く関わっている人たちのことです。かつてその街に住んでいた人、その街に縁のある人、その街が好きで定期的に訪れる人——。こういった人たちが地域を支える力になるという考え方です。
才光不動産のブログを読んでいる方の中にも、今は札幌に住んでいないけれど「いつか戻りたい」「いつか移り住みたい」という方がいるかもしれません。その方たちに「この街の良さ」を丁寧に伝え続けることが、将来の「縁」を作ることになります。不動産の取引はその縁が結実する瞬間です。そのためにも、街への愛を言葉にし続けることが大切だと、このジャンルの本を読んで改めて確信しました。

「地域活性化・まちづくり・ローカル経済」関連書籍
「里山資本主義」「地方創生の正体」等も参考になります
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