“安い物件にはドラマがある”シリーズ
この家の前に vol.2
— 才光不動産が本音で解説
こんにちは、才光不動産です。
今回は、「相続」をきっかけに表舞台から外れてしまった一軒の家の物語です。
誰も住まなくなった家には、「もらえなかった」のではなく「受け継がなかった」理由があることも多いもの。
その背景を、匿名・抽象的にご紹介いたします。
空き家や相続のご相談の裏には、家族それぞれの事情や距離感があります。
この【この家の前に】では、そうした“見えない部分”を大切にしながら綴っていきます。
親御さんが亡くなり
「実家」が空き家になった
ご相談くださったのは、50代の男性でした。
「実家の件で、一度お話を伺いたくて……」
そう言って、少し申し訳なさそうに事務所のドアを開けて入ってこられました。
お話を伺うと、ご両親が亡くなり郊外にある築40年近い一戸建てが
誰も住まないまま数年が経ってしまっているとのことでした。

「正直、実家に良い思い出ばかりがあるわけじゃないんです」
「仲が悪かったわけではないんですが距離を置いていた時期が長くて……」
そう打ち明ける表情には“後ろめたさ”と“割り切りたい気持ち”が混ざっていました。
「住まない」と決めたのは
冷たいからではなく現実的だったから
相続した家に住まないと決めるとき、その背景には様々な事情があります。
この方の場合は
- すでに持ち家があり、二重管理になる
- 職場や子どもの学校から遠く、生活が現実的でない
- リフォーム・雪かき・固定資産税などの負担が大きい
といった非常に現実的な理由でした。
決して「親の家が嫌いだった」というわけではありません。
むしろ、「ちゃんと片を付けたい」という思いが強く感じられました。
「あの家を空き家のまま放っておくのが一番親に申し訳ない気がするんです」
その一言が、このご相談のすべてを表していました。
整理しきれないアルバムと
捨てきれない荷物
実際に家を拝見しに伺うと
玄関を開けた瞬間に少し湿った空気と古い木の匂いがふわりと広がりました。
そこには時間が止まったままの“生活の痕跡”が残っていました。
- 居間のテーブルの上に置きっぱなしのカレンダー
- 色あせた家族写真と、旅行先の土産物
- 押し入れの奥から出てきた、子ども時代の通知表や工作
それらを前にして
「片づけなきゃと思うんですけど、途中で手が止まってしまって……」
と彼は小さく笑いました。

才光不動産として大切にしたのは、
「全部を一度に整理しなくてもいい」というスタンスをお伝えすることでした。
必要な書類や貴重品、どうしても手放せない思い出の品だけを先に分け、
残りは専門の片付け業者と連携しながら、少しずつ前に進めていくご提案をしました。
「誰かがまたこの場所で暮らしてくれるなら」
結果的に、その家は解体を前提として土地として売却する形になりました。
建物の老朽化や、耐震・断熱の観点から見ても、新しく建て替える方が合理的だったためです。
「家そのものは受け継げませんでしたが、この場所で誰かがまた暮らしてくれるなら、それで十分な気がします」
決済の日、そうおっしゃったときの表情は、とても穏やかでした。
家という形はなくなっても
土地は、次の世代へとバトンのように渡っていく。
相続で「受け継がれなかった家」も、視点を変えれば、
別の誰かの暮らしを育てる“土台”へと生まれ変わるのだと感じたケースでした。
まとめ:相続で“受け継がない”
という選択も立派な決断
相続の現場では、どうしても
「受け継がなかった=親不孝ではないか」
という罪悪感を抱く方が少なくありません。
しかし、現実的な生活・家計・家族の事情を踏まえたうえで
「受け継がない」と決めることもまた、一つの“責任ある選択”だと私たちは考えています。
大切なのは
・空き家にして放置しないこと
・感情と現実のバランスを一緒に整理してくれる人を持つこと
の2つです。

才光不動産は相続・空き家の問題に対して
「売るか・貸すか・壊すか」だけではない選択肢を
お客様と一緒に考えていきたいと思っています。
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といったお悩みも、まずは現状の整理からお手伝いさせていただきます。
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